2007.02.04 Sunday

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2006.12.02 Saturday

お題小説「近所に出来たパン屋さん」


ひとまずお題小説は今回で一旦区切らせていただきます^^;
また12月の中旬くらいからアップいたしますので、よろしくお願いいたします。
さて、今回は楼覚君とビースの友情系小説です。
「人形」での2人と比べてみると面白いかもしれませんw
それでは追記からどうぞ。

キーンコーンカーンコーン…とチャイムが鳴った。
「じゃあ各自図書の返却をポスターなどで呼びかけておくように。それではこれで解散」
顧問の先生がそう言い終わると、皆あくびをしたりかばんにノートをしまいこんだりし始めた。
ビースがペンを筆箱にしまっていると、同じクラスのビスタとキルケが話しかけてきた。
「ビース!帰りになんか買っていかない?お腹すいたじゃん」
「そうだね…。何買うの?ハンバーガー?」
ビースが言うとキルケがはーっとため息をついた。
「全く、ほんとに流行に疎いんだから。知らないの?学校の近くに新しくできたパン屋さんのこと」
「うーん…」
腕組みをして考え込むビースを見て、キルケは再びため息をついた。
「あんたに聞いたあたしがばかだったわ…」
「ご、ごめん」
「まあいいじゃねえか。とにかくさ、そこのパン屋がめっちゃ美味いんだって。いってみようぜ?」
「うん、いいよ」
ビースは残りのペンをがさっと一気に筆箱に押し込んでから、かばんを肩にかけた。
「じゃあいこうぜー」
「あ、ビスタ待って」
「あ?どうかしたのか?」
ビスタが怪訝そうにビースを振り返る。
「楼覚はいいの?誘わなくて」
ビースの視線の先にはまだ図書の整理をしている同じクラスの楼覚の姿があった。
「あいつはいいの。俺らが何言っても無反応なんだもん。きっと俺達と仲良くしたくないんだよ」
「そうなの…?」
ビースが言うと横からキルケも口を挟んだ。
「そうよ!だって、こないだだってあたしが一緒に帰んない?って言っても『帰る方向が違うだろう?』の一言よ!信じらんない!」
「それはしょうがないんじゃ…;」
「とにかく。はやく行かないとパン売り切れちゃうよ?人気あるお店なんだから」
ぐいぐいと腕を引っ張るキルケの手を解いて、ビースは鞄を机に置いた。
「先に行ってていいよ。僕、楼覚誘ってから行くから」
「はー。でたよ、ビースのお人よし」
「こうなると頑固なのよね〜。いいよ、じゃああたしら先に行ってるね」
キルケはひらひらと手を振るとビスタと一緒に図書室を出て行った。

ビースは図書の整理をし終わって帰り支度を始めている楼覚に声をかけた。
「楼覚ー」
「ん?」
「一緒に近くに新しく出来たパン屋に行かない?美味しいんだって」
「パンか…。俺はあまり西洋のものは食べたことがないんだがな」
さらりと言い返す楼覚にビースは思わず苦笑した。
中国から楼覚が転校してきてもうしばらく経つが、彼はなかなかクラスになじめていない。
外国から来たというのに加えて楼覚自身の持ち前の気難しさも手伝って、敬遠されているのが今の状況だ。
楼覚はそのことを全く気にしていないようだが、やはりクラスでいつも一人というのは寂しいだろう。
そう思って以来ビースは自分が迷惑がられるのを覚悟で楼覚に積極的に話しかけることにしている。
「で、でもさ。中華まんだってパンみたいなもんじゃない?もしどうしてもパンが嫌ならそれこそ中華まんだっていいし…」
「誰もパンが嫌いなんて言ってないが?俺はただあまり食べたことが無いと言っただけだ」
「じゃあさ、今から一緒に行こうよ。楼覚だってお腹すいたでしょ?」
楼覚はしばらくビースを見て、その後に時計を一瞥すると鞄を肩にかけた。
「時間もまだあるしな。わかった。行く」
「ほんと?行こう行こうー」
ビースも机に置いていた鞄を肩にかけて、がらりと図書室を出た。

近所に新しく出来たパン屋は内部が白熱灯で照らされた木組みの家だった。
店内にはゆったりした音楽が流れている。キルケが言っていたのとは違って、あまり人がいないのはこのパン屋の閉店時間である6時30分が近いからだろうか。
「ビスタたちは先に帰っちゃったか〜。ま、しょうがないかな」
「誰か待っていたのか?」
「ん?ああ、ビスタたちが先に行ってるって言ってたんだけどね。もう帰っちゃったみたい」
「悪いことをしたな…」
「楼覚のせいじゃないよ。あいつら待つってこと苦手だし。それよりパン、パン」
ビースと楼覚はトングとトレイを手にしてパンの間を回っていく。
「ソーセージロールと…メロンパンと…」
「ビース」
「ん、何?」
突然楼覚に呼び止められて、ビースは振り向いた。
「お前…何故俺にかまう?俺より友達と話しているほうが良かったんじゃないか?」
楼覚の言葉にビースは目をぱちぱちとさせた。
「何で?あ、ひょっとしてやっぱ楼覚、僕のこと煩わしい?だったらごめん;」
「俺は別にお前のことを迷惑がってはいない。ただお前自体はどうなのか…」
「全然。僕は楼覚と友達になりたいから楼覚と一緒に話したり、こうやって買い食いしてるだけ。無理して付き合ってるわけじゃないよ」
「窮屈に感じないか?」
「そんなこと関係ないよ。友達になりたいっていうのはそういうことを気にしてなるもんじゃないと思うけどな」
「……面白い考え方をするな…」
「そう?」
ビースが言うと楼覚はふっと微笑した。
「さて、俺も選ぶとするか」

10分ほど店内を回ってビースは結局5つパンを買った。
「こんなに買っちゃったよ…。ま、いいか;」
するとビースの後ろでカランとベルがなって、ドアが開いたことを知らせた。
「あ、楼覚はどんなパン買った…って、ええ?;」
振り返ると両腕いっぱいにパンの袋を抱えた楼覚が立っていた。パンの数はゆうに15はあるだろう。
「そ、そんなに買ったの?;」
「ああ。どれも初めて見るパンばかりだからな。珍しくてつい色々と買ってしまった」
「あはは…」
皆と溶け込むのも案外時間がかからないかもなあ。
そう思いながらビースは群青色の空の下、楼覚と帰りの道を歩いていった。

【おわり】

○追記
どうもビースと楼覚君の絡みが足りなかった感じがしますね^^;
気難しい楼覚君の周りをお人よしビースがぽやーんといる感じでお願いします(ぇ
「人形」でも二人が話したらきっとこんな感じだと思いますw(たぶんそういう機会は無いですが;)
陽さんのみ、保存・転載・修正願い可です。
素敵なお子様を貸してくださりありがとうございました^^






しゃちほこ | お題小説 | 20:07 | comments(2) | -

2007.02.04 Sunday

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コメント

 こんにちは〜、早速拝見いたしました^^v
 ビース君、難しい家の子をさそってくれて有難うw今まで大変だったでしょ〜;(何

 パン15個(笑)。たとえそれが全てフランスパンだったとしても、1人、2日で食べきるでしょうねぇ(爆)。
 ちなみにパラレルでなく、学生設定の擬人化楼覚は、中国から留学後はちょいと古いタイプのアパート(風呂なし、共有トイレと洗濯場付、2LDK?)に住んでいます・・・雨漏りしそうですが、意外とタフだから大丈夫だろうさ(笑)。


 血の一週間が終わったら、日記の方のお題と友に、持ち帰らせて頂きます^^。

陽 | 2006/12/04 4:33 PM

>陽さん

ビースは当たって砕けろ精神で友達づきあいをしていますのでw(ぇ

>パン15個
この辺はラヴォのご飯の食べ方を参考にしました^^;
良かったかな…?;とドキドキものでやってみたのですが、お気に召していただいたようで安心しましたw

>ちなみに…
瑤修鵑平爾だ瀋蠅あるのですか!w
ビースはたぶん典型的な中産階級の家に住んでいると思います(?

小説も持ち帰ってくださったようで感激ですw
また応募してくださいね〜。

しゃちほこ | 2006/12/29 6:48 PM

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