2007.02.04 Sunday

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2006.11.29 Wednesday

お題小説「歌のテスト」


お題小説4つ目は「歌のテスト」。
未紗璃さんとビースの恋愛系絡み小説となっています。
今までのお題小説とは違ってビースの一人称視点になっていますので、ご了承を…!
それでは追記からどうぞ。

それは音楽の時間に突然起こった。
「じゃあビース君は未紗璃さんと組むように」
一瞬、耳を疑った。誰と組むだって?
くるりと前の席の長い黒まじりの栗色の髪が揺れた。
「よろしく」
「よ、よろしく…」
僕は真っ青で海のように深い瞳に吸い込まれそうになりながら、うなずいた。

音楽の時間が終わっても僕は自分の置かれた状況が信じられなかった。
ぼうっとしたまま廊下を歩いていると、突然ばん!と友達に背中を叩かれて思わずつんのめってしまった。
「うわ!?」
「よう、ビース!お前大変だなあ〜。今度の歌のテスト、未紗璃さんと組むんだろ?」
「う、うん…」
「あの人めっちゃ歌うまいもんなあ。緊張しちまうよ。あ、でもビースは音楽得意だからそんなことないか」
「そうでもないよ。今度の課題曲はけっこう難しいし」
「でも俺よりはマシじゃね?でも未紗璃さんってけっこう近づきにくいイメージだもんな。練習とか大変そう〜」
僕はじっと黙っていた。来週のテストまで1週間。その間に組むことになった男子と女子はテストに向けて練習をしなければいけなかった。
「ま、気にするなって。頑張れよ〜」
そう言うと友達は行ってしまった。
彼は僕が組む相手である未紗璃がとっつき難いから困っていると考えたらしい。でも本当は違うんだ…。
すると今度はさっきとは打って変わってぽん、と優しく肩を叩かれた。叩かれたというよりは触れられたという感じだ。
はっと振り向くと未紗璃だった。僕は慌ててうつむいてしまった。
「あの…。テストのことなのだけど…今日から早速練習しません?今度の課題曲はけっこう難しいですし」
「は、はい。いいですよ。放課後ですか?」
「ええ。旧校舎の空き教室で」
「わかった。…じゃあ、放課後」
「それじゃ」
そう言うと未紗璃はふわりとした風をなびかせて教室へと戻っていった。

放課後になって約束の空き教室へと向かっている最中、僕はぼんやりと考え事をしていた。
あの歌声を聴いたのは確か去年の今頃だった。
期末テストの結果が思わしくなかった僕は先生にも親にも怒られて、周りの友達が楽しそうに話している中に入れなかった。
教室の中に僕は確かに存在しているのに、周りでは僕がいてもいなくてもまるで関係ないかのように時が流れている気がした。
自分は世界の外側にいる。このまま僕が空気の中へと消えてしまっても誰も気づかないだろう…。
そんなときに聞こえたのが彼女の歌だった。
僕が旧校舎の近くを通りかかったときに、それは何の前触れもなく聞こえてきた。
驚くほどきれいな声。いったい誰が歌っているんだ?
そっと旧校舎の空き教室を覗いた僕の目に飛び込んできたのは未紗璃の姿だった。
机や椅子が無造作に積み上げられた教室の真ん中で未紗璃は歌っていた。その口から出る声は澄み切っていてとてもきれいなのに、顔は泣きそうな笑顔だった。
泣きたいのにそれを必死にこらえて頑張って笑っている―そんな顔だった。
それ以来僕はただのクラスメイトとして見ていた未紗璃のことが、気になるようになっていた。

空き教室に入ると既に未紗璃が一人で歌の練習をしていた。いつもここで歌っているんだ…。
きりのいいところまで歌ってから未紗璃はこちらを見た。思わず僕は目をそらす。
「では始めましょうか」
「うん…」
いち、にと言ってから僕と未紗璃は歌い始めた。
最初は一緒の出だしで、僕が低音のテノールパートを、未紗璃が高音のソプラノパートを歌う。
途中から未紗璃が主旋律を歌いだす。なんてきれいな声なんだろう。どうしてここまで心に響くんだろう。
すると途中でぴたりと歌声がやんだ。
「ビースさん?歌ってくださらないと…」
「ああ、ごめん」
僕が謝ると未紗璃は歌を再開せずに僕の正面に立った。顔がいぶかしげだ。
「貴方なら出だしのタイミングを間違えたりなんてしないはずですけど…。調子でも悪いんですの?」
「そ、そうじゃないけど…」
「じゃあ、何故さっきから私と目をあわせようとしないんです?…もしかして私とじゃ不満なんですの?」
「そんなことないよ!ただ…」
「ただ?」
「ただ君の声がすごく綺麗で…」
「え…」
「なんていうか、すごく優しい気持ちになれるんだ…。実は僕、去年の今頃に君がここで一人で歌っているのを聞いて、なんだかすごく励まされたんだよ」
「そ、そんな…!あれはただ落ち込んでる自分を認めたくなくて歌ってただけで…。!!」
そこまで言うと未紗璃は顔を真っ赤にして向こうをむいてしまった。
「ば、馬鹿なこと言ってないで練習しません?テストのほうが大事ですわ」
「…そうだね」
僕と未紗璃は再び一緒に歌いだした。

でも…恥ずかしくてとても言えなかったけれど、君は僕にとっての天使だったんだ。
泣きそうでも笑顔で歌を歌う君に僕はすごく元気付けられた。
君の姿を見ていたら、もう一度頑張ってみようと思えたんだ。
君の歌声は僕を世界の内側へと戻してくれた天使の歌声だったんだ…。

【おわり】


○追記
わ〜〜、最後ビース暴走しまくり(失笑
未紗璃さんの素敵な歌声にベタぼれですね;
でも書いていて未紗璃さんは本当に素敵な人だなあと思いました^^未紗璃さんを書いているとこちらも本当に楽しかったです。
コユさんのみ、保存・転載・修正願い可です。
素敵なお子様を貸してくださり、ありがとうございましたw








しゃちほこ | お題小説 | 00:23 | comments(2) | -

2007.02.04 Sunday

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コメント

今日和*
コユで御座います
わざわざお知らせ有り難う御座いました

小説の方、さっそく読ませて頂きました
天使の歌声だなんて未紗璃も感激してm(ry
口調も予想通りで嬉しいです^^
ビース君と我が子の絡み小説を書いて頂き
有り難う御座いました*
こんな我が子を使って頂けて嬉しく思います^^

それでは
この辺で失礼させて頂きます。

コユ | 2006/11/30 4:18 PM

>コユさん

ひいいい;コメントレスが激遅ですいません;;
口調が予想通りでしたかwそれを聞いて安心しております^^;

また小説モデルに応募してくださいね^^
素敵なお子様を貸してくださりありがとうございましたw

しゃちほこ | 2006/12/29 6:42 PM

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