2007.02.04 Sunday

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2006.11.26 Sunday

お題小説「宿題写させて」

タママ
お題小説の3つ目、宿題写させて、ですw
今回のお題小説では羽維様と末摘花の友情系となっております^^
(画像はあんま関係ないので、あしからず)

「じゃ、ワークの52ページから56ページをやっておくように」
先生のその言葉で6時間目の最後の授業である英語が終わり、羽維はぱたんと教科書を閉じた。
教室中に愚痴や文句が飛び交う。
期末テストまであと少しという時期なので、この時期は宿題がたくさん出る。
そのせいで羽維も羽維の友達もぴりぴりしていた。
遊びたいのに遊べない。親には宿題をやるよう急かされる。いらいらが溜まるのは無理もない。
加えて羽維の場合はもう一つ、悩みの種があった。
「羽維ちゃ〜ん!」
来た。つい、ひくっと構えてしまう羽維の様子に気づきもせず、一人の少女がだだだだっと羽維のもとへやってきた。
「数学の明日までの宿題写させてっ!あたし、どうしてもわかんないんだ〜;」
「末摘花さん…。またですか?;」
「うんっ!いいでしょ?」
ローズピンクの瞳をくるんと動かして末摘花がじっと羽維を見つめる。
「もうしょうがないですねえ…」
「へへへ〜。ありがと、羽維ちゃん」
にこっと笑って羽維のワークを写す末摘花を見て、羽維は苦笑した。
成績がいい羽維に同じクラスの末摘花は宿題が出されるたびに写させて!と言ってくるのだった。
いい加減にしてくれませんか…。私は末摘花さんの宿題回答マシーンじゃないんですけど…。
羽維は心の中でぶつぶつとつぶやく。以前から末摘花にはこうやって遠まわしに自分が嫌がっていることを伝えているのだが、まるで気づく様子が無い。
気づいてくださいよね…。それとも気づいてるのに無視してるとか…?
人前ではにこにこしている羽維もだんだんと心の声が大きくなるに連れて、顔が険悪になっていたらしい。
末摘花がぱっと顔をあげて言った。
「羽維ちゃん…元気ないね?どうしたの?」
…貴方のせいなんですが。
羽維はがたりと立ち上がった。
「羽維ちゃん?」
首をかしげる末摘花に羽維はたまらず叫んだ。
「あのね、宿題っていうのは自分でやんなくちゃ意味ないんです!末摘花さんも毎回毎回あたしに頼るんじゃなくて、たまには自分でやんなくちゃダメ!」
きょとんとする末摘花を見て、なおさら羽維の心はあらぶった。
クラスの皆がざわざわしながらこちらを見ているのがわかったが、一度爆発したからには止まらなかった。
「だいたいね、いつもいつも五月蝿いんです!宿題写させて宿題写させてって、あたしは貴方の宿題解答集じゃないんですから!いい?もう『宿題写させて』は無しですからね!」
「羽維ちゃん…」
末摘花がゆっくりと大きく目を見開いた。
その目を見て羽維は一瞬はっとした。末摘花の目全体が怒りでも悲しみでもなく、心配の感情を浮かべていたからだ。
だが口はもう動いていた。
「…あたしを利用しようとしないでください!!あたしのこと、友達とも何とも思ってないのわかってるんですから!」
それだけ言うと羽維は鞄をもってクラスの視線から逃げるように教室を出た。末摘花がこちらをまだ見つめているのが一瞬だけ見えた。

帰り道を歩きながら羽維は悶々と考えていた。
悪いのは末摘花なのに、この罪悪感はなんだろう?
末摘花の大きく見開いた瞳が頭から離れなかった。
思えば中学で同じクラスになってから末摘花は何かと羽維にかまってきていた。
たまたま隣の席だったことがきっかけで、それ以来ずっとだ。
羽維はそんな末摘花が何となく苦手であると同時に新鮮な存在だった。
人間は誰しも本音と建前を使い分けるもので、羽維もその例外ではない。
人前では明るくにこやかに振舞っているけれど、本当は冷めている。
だがそれは皆も同じで、今まで小学校・中学校と色々な人と付き合っていたけれど、誰もが本当の自分の姿を隠して表面上だけの明るさで付き合っていた。
皆相手を本気で信じることが怖いのだ。信じて裏切られたときの痛みを知っているから、だからそこそこの付き合いで満足してそれ以上踏み出すことを禁じている。
それが普通だ。それが社会における人間関係というものなのだ。

だが末摘花は違った。本音と建前を使い分けるということをしない。
いつでも本気で人に接しているのが羽維にはわかった。
自分を偽ろうとしない末摘花が羽維を本当に好いていることはとっくの昔にわかっていたはずなのに。
あたしのこと、友達とも何とも思ってないのわかってるんですから!
それはむしろ末摘花以外の連中じゃないか。
うわべだけの付き合いをしている他の皆じゃないか。
さっきのことで流石の末摘花も羽維のことを嫌いになっただろう。
本気で自分を好きでいてくれる貴重な人だったのに…。

羽維が自己嫌悪に陥りかけたときに、急に誰かがポン、と羽維に触れた。
「羽維ちゃん!」
「末摘花さん!?」
末摘花だった。息を少しきらしているところを見ると、走って追いかけてきたらしい。
「どうしたの?元気ないよね?あたしのせい?あたしのせいなら謝る。ごめんね、羽維ちゃん」
まっすぐに見つめてくる末摘花の瞳。そこには嘘の感情が微塵も無い。
「何か悩みがあるなら言ってね?あたし、羽維ちゃんの友達だから、ね?」
「末摘花さん…」
「?」
「ごめんなさい、さっきはほんとにごめんなさい!あたし、酷いこと言っちゃって…」
「?羽維ちゃん、何か言った?」
「え…」
にこにこと笑う末摘花につられて羽維もついくすりと笑ってしまった。
「羽維ちゃん、やっと元気になったね」
「えっ?」
「羽維ちゃんって笑っててもいつもどこか寂しそうなんだもの。元気になってよかったね!」
そう言ってスキップで先を行く末摘花を見ながら、羽維は思った。
本当に変わってるけど…あたしの本当の友達だ、と。

【おわり】


○追記
あ〜、なんかほんとにグダグダですいませんorz
展開が急すぎるのは一話完結だからと言うことでご容赦をば…!
もう少し羽維様と末摘花の周辺関係を掘り下げたかったのですが…;;
緋夜乃さんのみ、保存・転載・修正願い可です。
素敵なお子様を貸してくださり、ありがとうございました^^




しゃちほこ | お題小説 | 00:18 | comments(0) | -

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