2007.02.04 Sunday

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2006.11.17 Friday

お題小説「授業中に書いた落書き」

natumi
やっとお題小説の更新です;
風邪も何とか治ったので、毎日更新を心がけたいです^^;
このお題は衣紗乃桜桃様とヴィオの友情系となっております。

キーンコーンカーンコーン…。
授業開始を告げるチャイムが鳴ると、廊下に出ておしゃべりしていた生徒達はまるで避難勧告が出されたかのように、パッと各自の教室へ戻っていく。
ヴィオも登校後、教室に入りもせずに隣のクラスの友人と話していたため慌てて自分のクラスへと戻った。
「…あれ?」
何か違和感を感じる。普段と雰囲気が違うような…。
そこまで考えてヴィオははっと思い出した。そうだ、昨日の放課後に席替えをしたんだった。
ヴィオは黒板に掲示されている新しい席順を確認してから、新しい席へと着席した。
今度の席は窓側の後ろから3番目。なかなかの好立地だ。
もともと授業を真面目に聞かないヴィオにとって、午前中の授業は睡眠時間の一部のようなものだ。これからは先生に注意されるのではと心配しながら寝なくてもいいかもしれない。
お義理で一時間目の数学の教科書を机の上に置いた後、すぐさまヴィオは眠る準備に入った。

だがそれもほんのつかの間だった。
がたりと隣に誰かが座る音が聞こえた。
隣って誰だったかなあ。気になりつつも眠りにつこうとするヴィオリーネ。
すると隣からしゃかしゃかしゃかとイヤホンの音漏れが聞こえてきた。うるさい。
しばらく我慢していたヴィオだったが、音のやむ気配が一向にないため、がばりと顔を上げて言った。
「もう〜!うるさいよ!」
「ん?うち?あ、音もれてる?かんにんな〜」
そう言ってMDPをカチリと止めたのは桜桃だった。
いつもあっけらかんとしてけらけらと笑っている桜桃は今まで何度か話したことはあるけれど、特別親しいというわけでもない典型的な「クラスメイト」だった。
「桜桃…もうすぐ授業だよ?先生に見つかったら取り上げられるって…」
「そんときはそんときや」
あははははと快活に笑う桜桃。ヴィオがふうっとため息をついたその瞬間に先生が入ってきた。

「食塩水に含まれている食塩の量は、(食塩水の全体量)×(濃度(%))÷100 で求められます。ですから、このAの食塩水は300グラムなので…」
まるで先生の言葉が催眠術師の言葉のように聞こえる。
ひょっとしたら数学の先生は本業は教師ではなく、催眠術師なんじゃないだろうか。
そんな馬鹿なことを考えながらもヴィオは必死に睡魔と戦っていた。
本来ならあっさりと睡魔に降伏するヴィオだが、今日は運の悪いことにヴィオの列の前から当たっている。
自分が指名されるのは時間の問題だ。
ヴィオは眠気を覚ますためにシャープペンをとった。もちろん板書をしようというわけではない。ノートに落書きをするのだ。
しゃっしゃっしゃっと人物の前髪を書いていく。右側を少し長めにして…。あ、丸顔になってしまった。もう少し面長にして…。
すると小声で横の桜桃が話しかけてきた。
「ヴィオ、何描いてるん?」
「わっ」
慌てて筆箱で描きかけの人物を隠すヴィオだったが、筆箱はあっさりと桜桃に避けられてしまった。
「わあー、うまいなあ。ヴィオ絵得意なんやね!」
「へたくそだよ、こんなの;」
「何言うてんねん。めっちゃ上手いやん。うち、こういうの苦手だからうらやましいわー」
じーっと絵を覗き込む桜桃。藍色のコサージュつきゴムでひとつに結ばれた紅色の髪がゆらりと下がる。
「ねえねえ、これ女の子?」
「い、一応…」
「やっぱり!なあなあ、うちに絵描いて〜」
「え?;」
「ええやろ、ヴィオうまいんやし。うち、ヴィオの絵にひとめぼれしてしもうたわ〜」
「しょうがないなあ。じゃあ、一枚だけね」
「ほんま?おおきに〜」
満面の笑みをたたえる桜桃を見て、思わずヴィオの顔もふっと緩む。桜桃にはどこかしら人を和ませる力があるようだ。
心なしか人物を描くヴィオの手も普段より調子がいい。さっさっと素早く絵を描く様子を桜桃は興味しんしんで見つめている。ここだけ時間がゆっくり流れているようで、ヴィオは何だか気持ちが良かった。
「よし、できた」
仕上げに消しゴムの角で余計な線を消してから、ヴィオはびりりとノートのページを破いて桜桃に差し出した。
「わー、おおきに!」
「ボク、あんまり人に見られながら絵描くの苦手なんだけど、なんか桜桃だと平気だったかも」
「ほんま?」
「うん。なんか桜桃の癒しパワーみたいな」
「なんやそれ。癒しパワーとかよくわからんけど、考えるのめんどくさいからまあええわ」
そう言ってけらけらと笑う桜桃につられてヴィオもついくくっと笑ってしまった。
確かになんだろう、癒しパワーって。
そのときだった。
「ヴィオさん、この問題の答えは?」
「えっ?;」
しまった。もう自分の番だった。絵を描くことに熱中しすぎて、問題の解き方どころか問題そのものさえ聞いていなかった。
絶句するヴィオにそっと桜桃がノートを見せた。ページには【問4】答え:25グラムと書いてある。
「に、25グラムです」
「正解」
それだけ言うと先生は再びくるりと黒板に向き直った。
「桜桃、きみ…」
「うち、数学得意なんよ。だからな、お願いがあるんやけど」
「なんだい?」
「数学の時間、うちに絵描いてーなあ。代わりに今みたいに答え教えたるさかい、な、な?」
「あはは、マジで?」
「ほんまよ」
授業嫌いのヴィオにとっては願ったり叶ったりの申し出だ。
桜桃とはこれから長い付き合いになりそうだ、とけらけらと笑う桜桃を見てヴィオは思った。

【おわり】


○あとがき
☆鈴★さん、すいません>< 桜桃ちゃんの素敵な外見を描ききれませんでしたorz
なんとか髪だけでも出したのですが…; しかも何となくわがままな子になっちゃってるような気がします…!(爆
あっけらかんとした桜桃ちゃんの様子はこのような感じでよかったでしょうか?^^;
☆鈴★さんのみ、保存・転載・修正願い可です。素敵なお子様を貸してくださり、ありがとうございましたw


しゃちほこ | お題小説 | 22:14 | comments(2) | -

2007.02.04 Sunday

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コメント

おおおおうとうがでてる??
しかも大阪弁えええ?
ってすごく驚いております。
いつも口調が大阪弁じゃないので(爆)
もう最高です!涙零れてきそうです。
わがままですし、数学得意。という設定まで・・・・!とても一つも文句ないです!
ヴィオくんと共演させていただき、誠に有り難う御座います。
きょっきょうえんしていいのか!
と思いながらみてました^^
お持ち帰らせていただきますm(_ _)m
綺麗だなんて滅相も無い!
ヴィオ君の方が・・・・w
なんか夢見たいな気分を見せてくださり有り難う御座います!
小説の執筆頑張ってくださいw

ではでは短文、乱文失礼致します

☆鈴★ | 2006/11/18 8:08 PM

>☆鈴★さん

内心かなりドキドキで書かせていただいたんですが、文句はないということで安心いたしました^^;
私の書いた絡み小説で良ければどうぞ持ち帰ってくださいな^^

お忙しい中読みにきてくださり、ありがとうございますw

しゃちほこ | 2006/11/19 2:05 PM

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